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アイコン ハガレン映画感想

07 05 *2011 | 寺田日記

本当はお仕事をしなければいけないのですが、どうしても煮詰まってにっちもさっちも行かない体たらく。ひとつ気分転換! の意味も込みで、『鋼の錬金術師/嘆きの丘の聖なる星』を強行軍で見て参りました。
なので感想をば。

なぜいきなり感想? という疑問もあるかとは思いますが、普段卍田さんが感想を書かないのには理由があるわけです。面白い作品の時はいいのですが、そうでないときに思いのままに文句とか言っちゃうと、自分の作品にブーメランしちゃうから……というのがひとつ。もうひとつは、作り手の方々の想いをないがしろにした物言いで、その人たちの成果を踏みにじるのが心苦しいからという、まあ、そんな理由なわけです。

それでも、どうしても書いておきたくて、今回は珍しく感想など、しかも主に批判(批評じゃなくて批判)中心に書いてみることにしました。
もちろん、的外れなことを言っている可能性もありますけどね!

さて、結論から言うと、100点満点中100点です。
世の中には120点とか200点とかいう作品があることも踏まえて、それらも100点満点中100点だと考えたときに、同列の100点をあげて良いと思います。

【※以下ネタバレがあります。未見の方は見ないでください】

続き

いや、面白かったです。
レベルが高いって言うのは、こういうことを言うのでしょうね。
作画は決して「綺麗」ではありませんが、キャラは生き生きと動きます(つまり、高いクオリティだと思います)。
見ていて泣けるシーンもなく、大きな揺れ幅で感情が動くこともなく、しかもプロットもやや複雑なのですが……こう言うとダメっぽいのですがそんなことはなく、なによりエンタテイメントとしてのワクワクがありますし、どうなるんだろうと先への興味もが持続します。そのうえキャラにも感情移入できるわけで、良い意味で優等生な物語だったと感じました。
ぶっちゃけ、今年見た映画の中でも上位に位置しますし、アニメでしかできない作品ってこういうのだよな-、と思います。むしろ世界に向けて売っていける一本だと思うわけです。

その上で……。
どうしても気になる部分があるわけです。
「流し気味の台詞」と「各所に垣間見えるジブリテイスト」
このふたつが、どうしても許せない。

■流し気味の台詞
前半にある、「え? エドがそんなこと知らないの?」という疑問を抱かせる台詞や、わざとらしい説明的なアレコレ……これらは、実はこの際問題ではありません。2時間で全てを見せる映画ですから、最低限、キャラの背景や今回の設定を理解らせなければならないので、それらはOKなわけです。
問題は各所にある『ただ定型の台詞/台詞構成』の数々。世間の物語ではよく「このわたしがー!」「ええい! ちょこまかと!」「優しいね」などなどの定型台詞が使われますよね。これらの台詞は、もちろん効果的だからこそ使われるわけですが……使いどころを誤ると、中身のない「定型」になってしまいます(そして非常に多い!)。
残念なことに、今回の作中にも、そういった台詞がいくつか散見されます(多くはありません)。ただ全体の出来が良いだけに、逆に目立ってしまっていて、それが非常に残念でならないのです。

■ジブリテイスト
ジブリ作品へのオマージュなのか、モロにラピュタやコナン、カリ城(かな?)等の演出ままのシーンや、ハガレンの世界観よりジブリ寄りのガジェットデザインが散見されます。どういう意図を持ってなされた演出やデザインなのかは所詮僕にはわかりませんし、純粋にジブリ作品(宮崎作品?)に敬意を払ってのオマージュなのかもしれませんが……このせいでこの作品が小さくまとまってしまった感がぬぐえないのです。「ジブリという壁を越えられなかった!」ではなく、自分で「ジブリは越えられない壁です超えません」として置いてしまったように見えます。

愚痴みたいなものなので、結論はありません。
ただ、なんにしろ、このせいで、並び立つものであることを放棄して、自ら一段下に身を置いたように見えてしまう。
面白かっただけに残念、世界と勝負できる完成度だからこそ残念だった……そう思います。

追記。
監督と作画監督さんがジブリ出身なのですね。
ならばしかたがない……と言って良いのかわかりませんが。
うーん。

06:46

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